「顔を赤くしてふんばっているのに、便がなかなか出ない…」
そんな子供の姿を見ていると辛いですよね。
実は子供の便秘って、意外と多いのです。
小さなお子さんが便秘になってしまうのには原因があります。
今回の記事では、薬剤師免許保有者の私が子供が便秘になる原因と、その対策を紹介していきます。
便秘を解消する食べ物やマッサージ方法も紹介していくので、役に立つはずです。
便秘とは?
まず、どのような状態を便秘というのでしょうか?
日本内科学会によると、便秘とは3日以上続けて排便がない状態と定義されています。
また1週間に3回以上便が出ないことや、排便があっても硬くて小さいものしか出ない場合も便秘が疑われます。
子供が便秘になる原因は?
なぜ子供が便秘になってしまうのでしょうか?
原因は1つではなく、複数あります。
特に生活習慣に起因することも多いので、便秘にならないためには日々の心がけも大切です。
これらをしっかり理解すれば、症状を改善することができるでしょう。
それでは原因を1つずつ解説していきます。
偏食や水分不足
「魚や野菜はあまり食べないけど、お肉はたくさん食べる」という子もよく見かけます。
もしそのような場合は、注意が必要で、お肉を食べ過ぎると、便秘になってしまうからです。
タンパク質からなる肉類は、主に小腸で吸収されます。
このときに大部分が吸収されてしまうので、大腸に便として残るものはほとんどありません。
すると便の量が減ってしまうため、蠕動(ぜんどう)運動が少なくなり、便秘になってしまいます。
蠕動運動とは、大腸の筋肉が伸びたり縮んだりすることで、便を外に出しやすくする動きのことです。
また肉類は腸の中で悪玉菌を増やしてしまうので、食べ過ぎると腸内環境のバランスを崩してしまう恐れがあります。
これも便秘の原因だといわれています。
さらに、水分不足が便秘を引き起こすこともあります。
体の中の水分が少ないと、便が腸の中を移動しづらくなり、なかなかで出て来なくなってしまうのです。
また水分は便をやわらかくするために必要な存在であるため、これが不足すると硬い便が増えて便秘が悪化してしまいます。
特に汗が多く出る夏場は、しっかり水分を補給するようにしましょう。
排便機能の未発達
子供は大人よりも排便機能が高くないため、これにより便秘になることがあります。
便を出すには腸を動かすことが必要なのですが、これに関わっているのは腹筋の力です。
そのため腹筋が鍛えられている人は、便秘になりにくいでしょう。
しかし子供は大人と比べて筋力が弱いので、腸を動かす力が小さく、便秘になりやすいのです。
男性と比べて女性に便秘が多いのも同じ理由です。
ストレス
実はストレスが便秘に関わっていることを知っていますか?
強いストレスを感じていると、腸の動きが遅くなって便が出にくくなってしまうのです。
人間の体は交感神経と副交感神経によって動かされており、基本的に両者は逆のはたらきをします。
例えば交感神経が強くはたらいているときは、脈や呼吸が早くなったり、汗が多く出たりします。
逆に副交感神経が関わっているのは、睡眠や体のリラックスです。
便も副交感神経のはたらきによって出やすくなります。
しかしストレスを感じると、交感神経のはたらきが強くなり、副交感神経が弱くなってしまうため、便秘が起こるのです。
また腸の動きが悪くなることで腸内の細菌バランスが崩れ、余計に便秘が悪化しまいます。
これを避けるためには、子供を長時間ストレスにさらさないようにしましょう。
また子供の心理的ケアも大切です。
例えばトイレに座っても便が出なかったり、排便時に痛みを感じたりすると、トイレに行くことが怖くなってしまいます。
これらによって便秘になり、トイレに行くことが嫌になってしまう。
トイレに行かずに我慢するので、余計に便秘が悪化するという悪循環になってしまいます。
これを防ぐためにも、普段から子供が排便しやすい環境を整え、心理面でもサポートすることが必要です。
子供の便秘を改善する対策3選
子供の便秘を放置していると、将来便秘になりやすい体質になってしまいます。
大人になっても便秘に悩まされたくはないですよね。
もしこれを防ぎたいならば、しっかりとした対策を今のうちに行っておきましょう。
特に重要な3つの対策を紹介していきます。
水分や水溶性食物繊維をしっかりとる
便秘を改善するためにまず大切なのは、水分をしっかりとることです。
水分を多めにとれば、便がやわらかくなって出やすくなります。
汗をかきやすい夏場はもちろんのこと、寒い冬にも意識してしっかり水分補給をするようにしましょう。
もう一つ重要なのが、食物繊維です。
食物繊維には野菜やきのこ、豆類に含まれる不溶性食物繊維と、海藻やひじきなどに含まれる水溶性食物繊維の2種類があります。
どちらも便秘改善に効果がありますが、特に効果が高いのは水溶性食物繊維の方です。
これには水分と同じように便をやわらかくする作用があり、また善玉菌のエサとなることで腸内の環境を整えるので、便通を良くすることができます。
水溶性食物繊維は主に納豆や長芋、なめこといったネバネバした食材に含まれているので、これらを日々の食事に取り入れましょう。
もしこれらの食材が苦手で食べられない場合は、りんごやみかん、キウイといった果物でもOKなので、こちらで代用するのがおすすめです。
「食物繊維をとればいいのは分かったけど、うちの子は好き嫌いが多くて、なかなか難しい…」
そんなときは「にこにこせんい」という子供専用の食物繊維スティックをおすすめします。
にこにこせんいは食物繊維を含んだパウダーで、おかずや味噌汁にサッと混ぜるだけで簡単に水溶性食物繊維をとることができます。
水に溶かして飲ませれば、水分と食物繊維を同時にとることができるので一石二鳥です。
主な成分はイソマルトデキストリンと難消化デキストリンです。
メーカーが実施した実験では、排便回数や排便量を増やす機能が報告されています。
参考:松谷化学工業株式会社HP「難消化性デキストリン 整腸作用」
国産原料を使用し、日本の製造管理基準であるGMPにも適合しているため安心ですね。
→にこにこせんいは効果ある?!悪い口コミと良い口コミを公開!解約方法も!
マッサージをする
便秘の改善には、マッサージをして腸を刺激するのもよいと言われています。
お子さんのお腹を「の」の字にゆっくりとさすってあげましょう。
大腸の形に沿って手を動かすことを意識すると良いです。
ただし、強く抑えすぎるとお腹が痛くなってしまう可能性があるので注意しましょう。
また椅子に座って腰をひねるエクササイズも、便秘を改善する効果が期待できます。
簡単にできるので、空いた時間などにぜひ実践してみて下さい。
トイレを我慢させないようにする
実はトイレを我慢すること自体が、便秘を悪化させてしまいます。
通常、便が大腸の一番最後である直腸に到達すると、ここに圧力がかかり、それが脳に伝わって便意をもよおします。
これを我慢しつづけてしまうと、便が直腸に達しても便意を感じにくくなってしまうのです。
またこのとき便から水分が抜けて、硬くなってしまうこともあります。
トイレを我慢することは、絶対にやめましょう。
しかし中には「トイレに行くのが恥ずかしい」と思う子供もいますよね。
そんなときは、普段から便座に座らせる習慣を作り、トイレへ行くことの抵抗感をできるだけ少なくしてあげましょう。
子供の便秘を予防する方法は?
便秘を改善することは大切ですが、そもそも子供が便秘にならないようにするのが理想的ですよね。
便秘を予防するために大切なのは、やはり食事・運動・睡眠です。
肉や炭水化物ばかりでなく、食物繊維を含むものをなるべく食べさせて、水分をしっかりとらせるようにしましょう。
また一回に食べる量が少なすぎたり、食事の回数が少ないことも便秘につながります。
必ず1日3食とらせるようにし、お菓子などはなるべく控え、1度の食事でしっかり量を食べさせるようにして下さい。
腸の動きを良くするには、適度な運動をすることと、寝不足を防ぐことも重要です。
特に運動不足の子には、腹筋トレーニングをさせることで、便秘になりにくい体を作ることができます。
5~10回を3セットなど、少ない回数でもよいので無理せず実践しましょう。
子供に便秘薬を使うのは良くない?
「子供の便秘がひどく、食生活を見直しても症状が改善しないので、便秘薬を使いたい」という親御さんもいらっしゃると思います。
しかし、小さな子供に薬を使うのは少し不安に感じますよね。
副作用などは特に気になるところです。
結論からいうと、子供に使用できる市販薬はあります。
例えば整腸剤は、生後3か月を過ぎれば使用できる商品がドラッグストアなどに売っています。
粉薬のものが多いので、ゼリーやヨーグルトなどに混ぜれば飲ませやすく、小さなお子さんにはうってつけです。
成分も元々体の中にいる腸内細菌なので、副作用が出る心配も少ないでしょう。
ただし市販薬といっても、絶対に副作用が出ないわけではありません。
決められた量・回数を守って使用し、症状が長い間改善しない場合は、専門の医療機関を受診するようにして下さいね。
まとめ
子供の便秘はすぐに治してあげたいですよね。
すぐにできる対策としては、以下のものがあります。
- 水分や水溶性食物繊維をしっかりとる
- マッサージをする
- トイレを我慢させないようにする
子供は大人よりも便秘になりやすく、これを防ぐためには普段から便通に良い習慣を心掛けることが大切です。
上記の対策は症状の改善だけでなく、予防にも効果があります。
お子さんの便秘で困っている場合は、ぜひ試してみるのがおすすめです。
ただしどうしても改善できないときは、1人で悩まずにお医者さんなどに相談してみて下さいね。