はじめに
野菜料理せっかく作ったのに全然食べてくれない、野菜は身体にいいから食べてほしい、お肉は食べるのに野菜はダメ。
子供の野菜嫌い、困っていませんか?
今回は、管理栄養士である筆者が子どもの野菜嫌いによって起こる症状と野菜不足対策を紹介します。
一日に必要な野菜の量
さっそくですが、皆さんは野菜を一日にどれくらい食べればよいのか、ご存知でしょうか?
大人の場合は、一日の350g以上を目標としています。
350gとは、加熱したものなら片手で3杯、生野菜であれば両手で3杯程度になります。
3歳から5歳の子供は240g、小学校低学年になると300gが理想の摂取量です。
しかし、厚生労働省の調査によると実際の摂取量はその半分程度と、残念ながら目標量には達していません。
野菜が苦手なその理由
小さいうちは、野菜嫌いな子供が多くいます。それはなぜでしょうか?
まず初めに考えられるのは、「味が嫌い」、というシンプルな理由です。
ごはんやパンのように噛めば甘味を感じることができる炭水化物に比べ、野菜には酸味や苦味といった独特の味が多く含まれます。
この味を子供が受け入れるのは少々難しいかもしれません。
そもそも、子供は大人に比べて味覚が敏感なため、「苦味」を「毒性のあるもの」と拒否することが多くあります。
大人が気にしていないちょっとした苦味や酸味を強く感じている場合もあるので、苦手な野菜が多いと考えられています。
そのほかには「においの強さ」や、歯が生えそろっていないことから繊維の多い野菜が「食べにくい」というのも野菜嫌いの理由のひとつになっています。
野菜嫌いによって起こる症状
野菜に含まれている栄養素は、主にビタミンとミネラルです。
野菜を食べないでいると、身体にどんな症状が現れるのでしょうか。
・便秘
野菜が不足すると腸内環境が悪化してしまいます。
野菜に多く含まれている食物繊維は、便通を整える大切な働きをしています。
その食物繊維が不足すると便が固くなり、排便が困難になることが多く便秘につながったり、反対に下痢が続いたりします。
特に子供の便秘を放置すると体調不良だけでなく、イライラしたり落ち着きがなくなったりと精神状態にも影響してきます。
・肌荒れ
基本的にビタミンや食物繊維は、体内で作ることができないので野菜を食べて摂取する必要がありますが、野菜の摂取量が減ると、腸内環境が悪化し老廃物を排出することができなくなります。
また、腸内で栄養素が吸収されにくくなるため、肌に栄養が行き届かなくなってしまいます。
ビタミンはコラーゲン生成にも関係している栄養素なので、不足すると肌荒れが起こりやすくなり、ニキビや湿疹、また頭皮のかゆみやフケの原因にもなってしまいます。
・疲労感
身体の調子を整える役割を持つビタミンやミネラルが不足すると、身体を動かすエネルギーを生成することができなくなり、疲れやすくなってしまいます。
また、ビタミンには疲労回復効果もあるといわれるので、不足すると疲れがなかなか取れなかったり、なんだかだるい、といった症状が出てしまいます。
・生活習慣病の要因となる
生活習慣病ときくと、大人の病気と思いがちですが、近年子供でも生活習慣によっては様々な病気にかかってしまう可能性があると指摘されています。
その予防のためにも、子供のころから野菜に含まれるカリウムやビタミンA、ビタミンC、ビタミンEといった栄養素を取っていくことが大切です。
野菜嫌いの対策方法5選
しかし、大人は野菜が大切だと分かっていても、なかなか食べてくれないこともあります。
そんなときには、目先をかえてみましょう。
・見た目を変える
見るのもイヤ!見た目から苦手!な場合には、野菜をすりおろしたり、細かく刻んで見た目の抵抗感をなくしてみましょう。
例えば、ピーラーなどを使って薄いリボン状にしてみると、面白がって食べることもあります。
まずは口に入れやすい大きさや見た目にしてみると、「食べてみよう」」という意欲がわいてきます。
・調理方法を変える
「生・焼く・炒める・蒸す・煮る・揚げる」と、調理方法は様々です。
この調調理の仕方を組み合わせてみても、料理のバリエーションが広がり、いつもとは違った野菜料理を作ることができます。
特に子供には、揚げて野菜チップスなどにして香ばしさや歯ごたえをプラスしてみると食べやすくなります。
・味付けを変える
野菜そのものの味が苦手な場合には、味付けを工夫してみましょう。
青臭さや苦味が苦手な場合は、ケチャップやオイスターソース、カレー粉といった甘味や旨味の強いものを使うと食べやすくなります。
また、お肉や魚といった、子供の好きな食材と一緒に調理することでより食べやすくなります。
・一緒にクッキング
自分も料理に携わることで、いつもの野菜料理も特別なものに変身します。
小さな子供にクッキングは、、、と思われるかもしれませんが、きゅうりを袋に入れて塩もみしてもらう、レタスや白菜を手でちぎる、しめじをほぐす、など小さい子供にもお手伝いできることがたくさんあります。
一緒に買い物に出かけて、人参を選んでもらったり、玉ねぎを探してもらったりしてみてもいいですね。
クッキングと聞くと、包丁や火を使うことを想像してしまうかもしれませんが、年齢に応じたお手伝いの仕方があります。
些細なことでも野菜を口にするきっかけになるかもしれませんね。
・タイミングを変える
一度食べなかったからといって、この先もずっと食べられないわけではありません。
きっと、我々大人も、今になって「美味しい!」と感じる食べ物があるはずです。体が成長するように、年齢を重ねることで味覚にも変化が訪れるタイミングがあります。
そのタイミングは人それぞれ。いくら子供が食べないからといって、その野菜を食卓から遠ざけてしまうと、食べる機会がなくなってしまいます。
一緒に食卓を囲み、その野菜を美味しい顔をして食べてみましょう。
子供も「ちょっと食べてみようかな?」という気持ちになりますよ。
楽しい食卓を一緒に囲むことで、たくさんの食材に触れていくのも大切なことですね。
野菜不足を補うサプリ
以上のことを試してみても、「やっぱり食べない」場合には、無理強いするのを止めましょう。
こんなに色々しているのに、どうして食べてくれないの?と思ってしまうかもしれませんが、無理やり食べさせようとするのは逆効果です。
1日2日、野菜を食べなかったからといって、それほど困るわけではありません。
まったく同じ種類の栄養素とはなりませんが、ビタミンを含む果物や100%のフルーツジュース、わかめや納豆にはミネラルも含まれています。
そして、近年サプリメントも豊富に出回るようになりました。
マルチビタミンやミネラルといった不足しがちな栄養素を上手に摂取することができます。
特に子供にとって不足すると体調を崩しやすくなる「食物繊維」を簡単に摂ることができる「にこにこせんい」は国内生産で小さな子供にも安心して使うことができます。
無味無臭の粉末なので、ジュースやお味噌汁にさっと混ぜて使うことができます。
2種類の水溶性食物繊維を含んでいるので、お腹の調子を整え、排便回数を改善させてくれますよ。
まとめ
子供の野菜嫌いによって起こる症状と野菜不足対策を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
大人として心配になるあまり、つい口を出してしまうことが増えてしまうこともありますよね。
野菜嫌いを野菜大好きに一瞬で変えてしまうようなのものは残念ながらありません。
しかし、食事時間を楽しく過ごすことで少しずつ食べることができるようになります。
調理の工夫をしたり、サプリを使ってみたりしながら子供のペースに合わせて野菜と付き合ってみてくださいね。