老後資金は独身女性の場合いくら必要?
『平成30年簡易生命表』によると、女性の平均寿命は87.32歳となっています。平均寿命は毎年少しずつ上昇しており、現在40代の女性が80歳になる頃には平均寿命は90歳になっていると考えられます。
65歳以降からを老後とした場合、余命は25年あるということになります。
男性よりも女性の方が長生きするので、女性の方が老後資金が多く必要になります。
老後の生活費は月15万円必要
まずは老後の生活費から見ていきましょう。
『家計調査報告(家計収支編)2018年』によると、60代以上の単身無職世帯の支出は平均して月額149,603円で約15万円のようです。
60代以上の単身無職世帯の支出の内訳
項目 | 月平均学 | 構成比 |
---|---|---|
食料 | 36,378円 | 24.3% |
住居 | 18,268円 | 12.2% |
光熱・水道 | 13,109円 | 8.8% |
家具・家事用品 | 4,780円 | 3.2% |
被服及び履物 | 3,766円 | 2.5% |
保健医療 | 8,286円 | 5.5% |
交通・通信 | 14,405円 | 9.6% |
教育 | 0円 | 0% |
教養娯楽 | 17,082円 | 11.4% |
その他の消費支出(諸雑費・交際費など) | 33,528円 | 22.4% |
この表を見ると住居が18,268円なので、賃貸の場合はさらに支出が大きくなると考えられます。逆に持ち家がある場合はもう少し安くなります。
他にも介護を受ける場合などは生活費はさらに高くなります。
もらえる年金は月額平均10万円
老後にもらえる年金は、これまでに保険料を支払ってきた期間や金額によります。
なお、女性の平均受給金額は月額10万3,000円のようです。
現在の収入が多い方が受取額が大きくなるので、女性の方が男性よりも平均受給金額は低い傾向にあります(男性は16万5,000円)。
さらに今後も高齢化が進んでいくため、平均受給金額が減少していく可能性は高いです。
なお、ご自分の年金受給額を見るにはねんきんネットでご確認できます。
退職金の平均は中小企業で約1,000万円
中央労働委員会や東京都(産業労働局)の調査によると、中小企業の退職金の平均額は約1,000万、大企業は2,000万円のようです。
退職金は、勤続年数や企業規模、自己都合・会社都合などでも変わってくるので一概には言えません。
基本的にひとつの企業に長く務めるほど退職金は多くなります。
退職金制度を設けていない企業もありますので、社内規定を確認しておきましょう。
独身女性が老後までに必要な貯蓄は1,500万円
政府が老後2,000万円問題を発表して話題になりましたが、この金額は夫婦2人で2,000万円が必要であるということです。
では独身女性の場合は老後までにいくら貯蓄すればいいのでしょうか。
上述した情報を一回まとめてみましょう。
- 女性の平均寿命:90歳(65歳からなら25年の余生)
- 女性の年金平均受給金額:10万円
- 独身女性の平均生活費:15万円
これらの情報をもとに、以下の計算式で必要な貯金額がわかります。
平均の生活費が15万円に対して、年金は10万円しか支給されないので毎月5万円は貯金から捻出しなければいけません。
平均寿命からは25年の余生があることがわかるので、25年を月に換算すると300ヶ月になります。
そのため、毎月5万円の貯金を300ヶ月の間に崩すと1,500万円が必要になるのです。
もちろん、この金額はあくまで平均なのでもっと長生きする可能性も十分にありますし、貰える年金額も人それぞれです。
生活費も老後は質素に暮らすのか、定期的に旅行に行きたいのかや持家か賃貸かによって変わります。
40代独身女性は毎月5万円貯金しよう
仮に現在あなたの年齢が40歳だとします。継続雇用をして65歳まで働いたとして、年金が貰えるまで残り25年あります。
この25年の間に1,500万円を貯めるには毎月5万円を貯金する必要があります。年間にすると60万円です。
退職金が貰える場合は、そのぶん毎月の貯金額は少なくても大丈夫ですが、退職金は退職時まで貰えるかどうかがわからないので、退職金は当てにせず「貰えたらラッキー」くらいに考えておきましょう。
40歳独身女性の資産を築く方法
全国単身世帯収支実態調査(平成26年)によると、40代の独身女性の平均年収は363万円です。
そこから税金や保険料などを引くと、手取りは約23万円ほどになります。
毎月5万円を貯金がする必要があると述べましたが、23万円のなかから5万円を貯金するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
ここからは、老後までに1,500万円の資産を築く方法について解説していきます。
固定費を見直して貯金する
まず最初にすることは固定費の見直しです。
毎月、何にいくら使っているかを把握していますか?
この機会に固定費を見直して削れるところは削りましょう。
固定費の見直し:家賃を見なおす
固定費の中でもっとも大きいのは家賃です。
例えば毎月10万円かかっていた家賃が5万円になればそれだけで毎月5万円を貯金に回せます。
実家から会社に通えるなら実家に戻ったり、会社の社宅があるなら社宅に住むなどして家賃を見直しましょう。
「実家は遠方だし、社宅も無い」という人はシェアハウスという手もあります。
シェアハウスは好立地にもかかわらず家賃が相場よりも安く設定されています。
知らない人と住むことになりますが、鍵付きの個室もある所も多いのでプライバシーは守られます。
家具家電付きも多く、敷金礼金などの初期費用もかなり安いので節約したい人にはおすすめです。
固定費の見直し:保険
次に見直したい固定費は保険です。
40代になると病気の心配が増えてくるでしょう。
独身の場合は、病気やケガで入院や手術をした時のリスクを考えなければいけません。
終身保険は遺産を残したい人がいない場合は、高額の物を選ぶ必要はありません。
自分に合った保険は人によって異なるので、保険を選ぶ際は保険のプロに相談すると間違いがないのでおすすめです。
契約するかは自由で勧誘もないので、まずは話を聞くことをおすすめします。
固定費の見直し:通信費
最後の固定費の見直しは、通信費です。
家賃や保険を見直すのはなかなか腰が重いですが、通信費の見直しは今すぐにできます。
ドコモ・ソフトバンク・auのいずれかを利用している人は、格安SIMにするだけで毎月5~7千円ほどの節約が可能です。
格安SIMだからといって通信速度が遅くなったりなどのデメリットは特にないので、まだ格安SIMでない人は今すぐ変更することをおすすめします。
今お持ちのスマホをそのまま使用することもできるので、安心してください。
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投資で資産運用をする
固定費を見直して、貯金ができるようになったら投資をして資産運用を始めましょう。
投資を始めるタイミングとしては、生活費の6ヶ月分くらいの金額が貯金できれば始めてもいいでしょう。
生活費6ヶ月分があればもしものことがあっても生活し、新しい収入源を見つけられる可能性が高いからです。
投資をおすすめする理由は、貯金だけで1,500万円を貯めるよりも投資をした方がずっと楽に貯められるからです。これは複利の力が働くからです。
例えば5%の利子がつく金融商品に100万円投資したとします。1年後には5万円の利子がつき105万になります。2年目は105万円に5%なので、110万2500になります。このように利子に利子が付くことで雪だるま式に資産が増えていくのです。複利の力は「①金利が高い」、「②投資運用期間が長い」ほど有利になります。
これを毎月5万円を投資した場合、以下のようになります。
年利 | 25年後の推定資産 |
---|---|
0%(投資しなかった場合) | 1,500万円 |
3% | 約2,200万円 |
5% | 約2,900万円 |
7% | 約3,900万円 |
10% | 約6,200万円 |
おすすめの金融商品は投資信託
「投資のことはわからない!」という人におすすめの金融商品は投資信託です。
数ある投資信託のなかでもおすすめは、三菱UFJ国際投信のインデックスファンド・シリーズ「eMAXISSlim(イーマクシススリム)」です。
eMAXISSlimは、最低水準の運用コストを目指しており、手数料の安さが魅力的です。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):全世界の株式で運用
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):アメリカの株式のみで運用
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス:日本を除く先進国のみで運用
アメリカの株式の指標となるS&P500では、過去50年間平均して約9%の運用成績を出しています。
また投資期間が長ければ長いほど負けるリスクも低くなる特徴もあります。
おすすめの資産運用方法:iDeCo
おすすめの資産運用方法は、個人型確定拠出年金(通称:iDeCo(イデコ))です。
イデコでは、所得税や住民税が軽減されるというメリットがあります。
年収363万円の人が20年間毎月12,000をイデコで積立てた場合、毎年21,600円(20年で約40万円)の節税効果があります。
デメリットとしては、原則60歳までは資産を引き出すことができないという点です。
節子株式取引や投資信託を始めたいんだけど、どこの証券会社がいいか探してて……、SBI証券がおすすめって聞いたんだけど本当かしら?節フクロウSBI証券は、取引手数料が安くて、取り扱い商品も豊富だから[…]
おすすめの資産運用方法:つみたてNISA
つみたてNISAは、「少額投資非課税制度」とも言われる制度です。
つみたてNISAでは投資をして得た利益に対して通常は20.315%の税金が課税されますが、毎年40万円までを上限に最長20年まで非課税になるという制度です。
つみたてNISAをしているのとしていないのとでは、20年後に現金化する時に得られる金額が100~200万円変わってくる可能性も大いにあるので、ぜひ活用したい制度です。
イデコとつみたてNISAの枠を満額使うとちょうど5万円くらいになるので、このふたつで資産運用することをおすすめします。
節子株式取引や投資信託を始めたいんだけど、どこの証券会社がいいか探してて…楽天証券がおすすめって聞いたんだけど本当かしら?節フクロウ楽天証券は、取引手数料も安くて、楽天サービスを使っている人にはお[…]
貯金・投資は早めに始めよう!
少し数字が多くなってしまい難しく感じたかもしれませんが、もう一度整理してみましょう。
- 老後に必要な資産は年金とは別に1,500万円
- 現在40歳なら月に5万円の貯金が必要
- まずは固定費を見直すところから始めましょう
- ある程度貯金が貯まったら投資に回し、複利の力で資産を増やす
今回ご紹介した投資信託は、投資期間が長い方が損をする確率が低くなります。
まずは投資をするための貯金をすることから始めましょう。
SBI証券や楽天証券の口座開設や維持費は無料です。口座開設までは約2週間程度の時間がかかりますので、こちらも早めの行動をおすすめします。
*投資は自己責任です。投資はご自身の判断・責任で行うようご留意ください。